岸甫氏は,日本の数値制御(NC)工作機械の黎明期にNC自動プログラミング言語の技術的基礎を築いた。その後も、工作機械の制御機能をソフトウェアで実現するCNC(Computerized NC)の開発を先導し、わが国のNC工作機械を世界一の座に高めることに貢献した。
同氏は,本学在学中,理化学研究所情報処理研究室でソフトウェアを学び,本学卒業後,沖電気に入社した。同社は,数値制御(NC)事業に乗り出すところであり,「機械出身がコンピュータソフトを開発できる」との理由でNCソフトを任された。昭和42年に、イリノイ工科大学とベンディックス社で、同時5軸加工の自動プログラミング言語のAPTを習得し日本に紹介し普及に努めた。昭和43年に、東芝機械製の同時5軸加工機により火力発電のタービンブレード加工の制御装置とソフトウェアを担当した。この機械は現在でも,東芝・京浜製作所で健在である。昭和44年には同時5軸加工と同時4軸加工を使ってインペラー加工を国産のNC装置と工作機械で,次々と実現した。
昭和47年には,米国製の超大型コンピュータでしか実現できなかったAPT自動プログラミングを,MINIAPTとして国産小型コンピュータやミニコンピュータで処理できるようにした。
昭和54年に、ファナックに移籍し,ソフトウェアを中心に技術開発に邁進する。自動プログラミング言語FAPTを卓上型マイコンで処理できる「システムP」の開発普及,工作機械の動きを対話型で記号入力できるSymbolic FAPTの開発,2次元断面形状を入力すると3次元自由曲面が創生されてNC加工データが自動作成される自由曲面創生 FAPT DIE-U、などを開発した。
平成元年に、開発部門よりセールス部門に移る。現在も、現役として先頭に立ち、技術開発時の戦友であった工作機械メーカの幹部とともに我が国のNC工作機械の発展に努めている。
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