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目黒会について/事業内容/移動体通信研究会/第46回/ICカード「FeliCa」フェリカ

ICカード「FeliCa」フェリカ

ユビキタスネットの動向・
ICカード「FeliCa」フェリカ

ソニー株式会社
高山 佳久

1)はじめに
高山 佳久氏 高山氏は、ソニーでこのFeliCaの国際基準化を進める担当役で、講演のときその概要を話して頂いたが時期的に非常にクリティカルな、すなわち国際基準審議の最中で、十分な紹介ができなかった。その後、昨年10〜12月にその基準は審査をパスし、具体的な紹介ができるようになっている。
 今回、講演者に紹介を書いて頂くことになっていたが、本人がその後いそがしいこともあり、当研究会の主査が概要を紹介する。
2)FeliCa国際標準規格化への道
 このフェリカの国内版は、皆さんご存知のSuicaなどがある。FeliCaを核としたその発展形を国際規格化すべく、ソニーとフィリップスエレクトロニクスはNFC規格を共同開発し国際的普及を目指してきた。
 昨年12月、近距離無線通信規格(Near Field Co-mmunication(NFC))の一つNFCIP-1(NFC Interface and Protocol-1)が、ISO/IEC 18092として承認された。これには、ICカード技術、FeliCa(ソニー)とMifare(フィリップス)の通信方式が含まれており両者との通信互換性がある。
 NFC規格の技術審議会はヨーロッパに本拠地を置く情報通信システムの標準化機関のECMA International内にTC-32/TG-19として設置されている。Ecma TC32-TG19にて技術審議を完了した後、2002年12月のEcma GA(総会)にてECMA-340として承認されると同時にISO/IEC JTC 1へのfast-track提案とETSIへのファイリングすることも承認された。ISO/IEC JTC 1のDIS投票により、2003年暮れ正式に承認され発効した。そして今現在、どなたでもISOのホームページからISO/IEC 18092規格書を購入可能となっている。
3)NFCIP-1の概要
 NFCIP-1は、無線周波数はいわゆるISMバンドのひとつである、13.56MHzを使う近距離無線通信規格で物理層とデータリンク層から構成されている。
図1にこれを示す。
 このNFCチップが搭載された機器を双方が特定できる距離(たとえば20cm程度)に近づけて相互に認識し合い情報交換ができるようになっている。従来の
▼図1
NFCIP-1の基本構造
ようにハード的につないで認証する方法や、BluetoothやWirelessLANのように広い空間で無線を飛ばして通信する方法とは異なり、ごく近くで直接的に目的とする機器どうしで情報交換を行えるのが特徴である。また、この規格では、無線電波の衝突を避ける方式としてRF detectionとCollision Avoidanceという方法を使っている。これは、電波を出す前に、13.56MHzのキャリアがあるかどうかを確認すること及び自らキャリアを出す際にしかるべくタイムスロットに従うということである。
 通信方式としては、半二重通信を行う方法が採用されている。データ伝送速度は、106kbps, 212kbps, 424kbps から選択することが可能である。図1に示すように、このシステムは、他の機器ともつなげるプロトコルもついている。図1の構造は、通常使われているプロトコルの構造をなしている。将来的には、さらに高速化したサービスにも使えるようになっている。
 このプロトコルによる通信では、通信する二者をイニシエータ、ターゲットという区別をしている。イニシエータの要求に対しタムゲットがそれに応答するという形をとる。このプロトコルにはアクティブモードとパッシブモードがあり、前者は、イニシエータ、ターゲット両者ともRF(無線電波)を出す。
 パッシブモードでは片方だけがRFを出す。RFを出す責任は、イニシエータがもっている。このプロトコルでは、データレートにより、異なる変調方式とビット符号化方式を持つ仕組みになっている。ターゲットは、これを自動識別して通信を行う。また、無線の圏外(たとえば10〜20cm以上)になると通信終了となる。その意味では、無線が外へ出ないのでいわゆるSecure性において経済的で実用的なシステムを実現できる可能性がある。
 また、パッシブモードでは、RF通信動作に必要な電力を片方からRF電磁結合により供給する。その点で電池が不要というメリットがある。
4)NFC/FeliCaの利用動向
 FeliCa技術を利用した非接触ICカードは、日本では既に述べたようにJR東日本のSuicaなどがかなり普及している。またアジア地域においてはFeliCaを公共交通機関などへ導入する動きもある。電子マネーサービスメEdyモやオンラインクレジットサービスメeLIOモにはFeliCaが利用されている。各種社員証や会員証などにもFeliCaが使われている。
 一方、これからの家電製品は社会基盤がIT化していく中で利用されることになる。すなわちインターネットに接続したり相互通信接続することによって付加価値や利用価値を生む製品になる。よって通信の設定やその操作などがどうしても複雑になるのでなんとかしないといけない。
通信させたいモノを近づけるとか接触させるだけで通信接続ができるというスタイルを実現させれば日常生活の延長線上にある常識で複雑な設定を簡単に完了させることができるだろう。
例えば、デジタルカメラで撮った映像を或いは音楽情報を別のテレビやオーディオ機器に伝送する、いわゆるコンテンツの無線転送などもこのスタイルで可能になる。
 高速でよく飛ぶ無線通信技術に比べるとNFCは近距離でかつ低速であるが存在意義が大きい。NFCとBluetoothをたとえて言えば、NFCが仮想のコネクタであり、Bluetoothが仮想ケーブルであると考えればよい。全体の大きなシステムの一部として経済性などまで含めて考えてバランスよく技術を適用していくのがよい。
5)NFC/FeliCaへの期待
NFCは社会基盤のIT化の真っ只中で活躍するFeliCaとIT化社会基盤の中で利用される家電製品に新しい関係をもたらすであろうと思われる。NFCは、IT社会の複雑なしくみの中で、お金の支払いを含め、簡単で安心して使える家電製品というキーワードでも結びついているように思われる。

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