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「ホットスポットへの取り組みと今後の展開」

ユビキタスネットの動向・
ホットスポットへの取り組みと今後の展開

NTTコミュニケーションズ株式会社
ユーザアクセス部 田部井 俊幸

田部井 俊幸氏 本日はホットスポットへの取り組みと今後の展開ということで、昨年5月15日に開始いたしました、無線LANサービス「ホットスポット」への取り組みについて、生い立ちから今後の展開を含めて御紹介させていただきます。
 この無線LANの生い立ちですが、5年くらい前に802.11という規格ができまして、こういった商品が出始めたのですが、当初は高価なもので、まだ、一般ユーザが使うものではありませんでした。1999年には802.11bという規格ができ、Wi-Fiという認定が始まり、製品がどんどん安くなっていきました。このWi-Fiというのは親機と子機のベンダーが異なっても通信ができるという認定をさします。こういったものが出始めるようになり、価格が下がっていきました。価格が下がることにより、会社だけでなく、家庭にも広く無線LANが普及するようになってきました。2000年には子機が日本市場に68万枚出回ったといわれています。価格が安くなってくると、今度は形を変えたり、端末自体に盛り込んでしまうということが起こり始めました。最近のモバイルPCの半分程度には無線LANが実装されています。また、PDAでも利用できるようにCFタイプがでてきたり、PDAにも1部実装が始まっています。こうして、どんどん市場が大きくなってきました。そうするとまた、規格のほうも11bだけでなく、もっと高速な11aや11gという製品もでまわるようになりはじめ、無線LANの普及のサイクルがどんどんまわりはじめました。
 もともとこの無線LANサービスというのは日本から起こったものではありません。もともと海外で始まっており、特に米国ではかなり前から始まっていました。1998年にモバイルスターという会社がこの無線LANサービスを米国ではじめ、ビジネストラベラーをターゲットユーザに空港とホテル100箇所程度でサービスをしていたようです。まだ、そのころはモバイルPCもそう普及しておらず、ユーザが集まらなくて事業運営がまわらなくなったようです。その後、Tモバイルという携帯電話事業者がテコいれをしてサービスを継続しているようです。調査会社が予測するには2003年には7万1000ヶ所のエリア数になり、2005年にはなんと15万ヶ所にもなるそうです。
 国内に目を向けますと、商用サービスをおこなっているのはNTTコムを含むNTTグループ各社、そして試験サービスとしてヤフーさん等がいます。特徴的なのは11aという5GHz帯の無線LANサービスを提供しているのはコムのみです。これは世界的にもこの規模でやっているのはコムのみだと認識しています。エリアの広さではNTTコムが業界トップではありますが、ヤフーさんが追撃している形です。NTTコムはモスバーガーさん、ドトールコーヒー、カフェドクリエ、珈琲館等カフェ、そしてプリンスホテルをはじめとしたホテル、空港、幕張メッセのようなコンベンションセンター等に展開しており、ヤフーさんはマクドナルドが中心といった感じでそれぞれ、エリアが分かれています。料金もさまざまです。商用サービスではドコモさんの2000円からBPさんの1500円と幅があります。NTT東西さんはアクセスだけの料金で別途ISP料金がかかることとフレッツユーザのみという制限がかかっています。ヤフーさんは試験サービスということもあり、無料で提供しています。料金メニューではコムがプリペイドカードや従量制メニューをとりそろえ、他社と違い、ライトユーザも視野にいれています。
 それではそろそろホットスポットについてご説明をさせていただきたいと思います。私どもは商用サービスを始める前に実験を他社にさきがけてやっておりました。モニタになっていただいていた方もこの会場内にいらっしゃるかもしれません。ハイファイブという実験名称で2年前に約10ヶ月間やっておりました。当初はモスバーガーさん5店舗ではじめ、最後はプリンスホテルさんを含め21店舗でやっておりました。この実験最中に無線LAN内蔵PCやウィンドウズXP等が発売されるようになり、ますます無線LANが身近になっていきました。そういった環境の中で私どもは昨年5月15日に商用サービスとして”ホットスポット”を開始しました。
ホットスポットのサービスイメージ サービスイメージですが、会社や自宅で利用している無線LANとPC/PDAが街中でもそのままブロードバンド接続できるといったものです。特別なハードやソフトは不要です。エリアはファーストフード、カフェ、ホテル等で1500拠点程度に広げる予定です。使い放題で契約料1500円、月額定額1600円というメニューで始めましたが、使いたい時だけという人用に24時間500円のプリペイドカードも販売しております。
 多くのISPのメールがホットスポットから読めるようになっており、まさに自宅の環境を外に持ち出すといった感じです。とくにプロトコル制限もかけていないので、まさにインターネットに直接接続しているといったものです。
 また、この無線LANサービスをホットスポットブランドだけでなく、ISPにもサービスを卸しており、ここにあるようにISPユーザがそれぞれのISPのID/パスワードでも使えるようにしています。ちょっとづつ特徴があって、Niftyさんは月額定額1400円のほかに日額350円、Sonetさんは月額定額1400円のほかに分額10円メニューをだされています。いずれも、それぞれのお客様であれば、事前に登録なしにそのISPのIDパスワードを使って、ホットスポットが使えます。
 また、米国のローミング事業者であるiPASS社とローミングをしているのでホットスポットユーザはそのID/パスワードで海外のiPASS社の拠点でもブロードバンド接続が可能になっています。ただし、別途37円/分かかりますが、ダイヤルアップが大体30円/分ということを考えると大変安いサービスにしあがっています。
 最近では、ホットスポットを単体で販売するのではなく、NTTコムのCODENというコンセプトの中で販売するケースが多くなっています。ココアというインターネット上のディスクサービスと組み合わせて、新しいライフプランの提案をする形でオープンプランという名称で販売しています。100MBのインターネット上のディスク付きで本来であれば300円/月と1600円/月で1900円/月になるところを1600円/月とお得なパックにしあげています。外出先で撮影したデジカメの映像をホットスポットからインターネット上のディスクにあげて、友人や家族にみせたり、旅の日記を書いたりするといったものです。また、この8月からライトユーザ向けにも従量制メニューを追加しました。ココアの300円/月にプラス50円で1分8円の従量料金でホットスポットが使えるメニューです。月に157分以内しか使わないお客さまにはお得なメニューになっています。
ホットスポット利用手順 ホットスポットの利用形態は非常に簡単で、特別なハード、ソフトを必要としません。あらかじめ、私どもが通知する無線LANの設定をしていただければ、あとはサービスエリアに行って、PCの電源を入れて、ブラウザを立ち上げるだけです。そうするとIDパスワードを入力してくださいという画面がネットワーク側から送り込まれてきます。登録したIDパスワードを入力するとホットスポットのポータルが現れ、お客様の登録した氏名とアクセスしている場所の名がでてきます。これで、ちゃんとホットスポットのネットワークにはいりましたよということをお客様に通知します。基地局のなりすましという危険なこともあるので、こういう形でお客様に安心してネットワークをつかっていただくようシステムをつくりあげています。要は端末やOSを意識しないでも使えるということです。ウィンドウズでもマックでもPDAでもSSLが使えるフラウザさえあれば使えるということです。
セキュリティ セキュリティについてですが、NTTコムとしては独自の規格ではなく、標準化された技術を活用し、セキュリティを確保するように考えています。今のところ3点ほどシステムに盛り込んでいます。まずは、無線LAN区間において、ESS−IDとWEPキーを使うことにより、無線基地局の誤認防止をはかっています。WEPキーについてはすべてのユーザに同一のものを利用しているため、一度ユーザになると暗号キーがわかってしまうので、これで通信の秘匿をしているかというとそうではありません。位置づけとしては他社もしくは他人のネットワークとの識別という位置づけです。サービスとして重要なIDパスワードはSSLという、インターネット上でクレジットカード番号等を投入するときに使われる技術を使って保護しています。最後に認証したあとに、同じ店舗内にいて他人から自分のPCが覗かれてしまうということがないように基地局を経由して、他のPCに侵入できないように端末アクセス制御を行っています。
 サービスエリアの展開についてですが、現在札幌から福岡まででの政令指定都市レベルで約500拠点程度、年度末までには1500拠点程度まで展開していきたいと考えています。また、ローミングによるエリア補完も考えており、海外はiPASS社とのローミングでエリアを広げています。今後も駅や空港、大学、新たなFC企業と他社連携を展開し、エリアをひろげていきます。
 私どもはただ、エリアを広げるだけでなく、端末メーカーさんとの連携も深めています。お客様に便利にホットスポットを使っていただくために、自動ログインツールをモバイルPCにプリインストールをしてもらっています。最近のPCには環境に応じて、ネットワークの設定を自動的に変更するツールが入っているので、それと連動して、ホットスポットの電波を捉えると自動的にログインするツールをいれてみました。プリインストールしてある機種がますます増えていっています。また、ソニーさんインテルさんとも協力して、無線LAN内蔵のモバイルPCにプリペイドカードの同梱という施策も実施しました。やはり、使い勝手というのは重要なファクターだと思っています。今後もメーカーさんといろいろと議論して、おもしろいツールなども入れてもらう予定です。
 法人ユーザに向けて、ホットスポットとセキュリティシステムを組み合わせて提案するケースが最近増えてきており、NTTコム社内でもホットスポットからセキュアにイントラにアクセスするためのサービスを使っております。モバイルコネクトといってソフトウェアによるワンタイムパスワードを利用し、本人性の確認を行い、IPSEC通信によりセキュアな通信路を確立します。これを使うと、ホットスポットだけでなく、海外からのアクセスでもセキュアにイントラアクセスが可能です。私もよくこれを使って外出先から、会社のメールをやりとりしています。これにより、いちいち会社にいかなくてもよいので、出張時はそのまま帰宅することもできるようになりました。とても便利なので多くの企業の方に使ってもらいたいと考えています。
 また、最近では大学にホットスポットを導入する事例がでてきました。さきほどちょっとご説明したココア、インターネット上のディスクサービスですね、とのセットであるCODENのオープンプランを使って、大学を知を得る場所から、知を共有し、活用する場所へとご提案している最中です。
 私どもはそれをキャンパスホットスポットと名づけているのですが、どういうケースがあるかと申しますと、ゼミの掲示板としてゼミリーダが教授からの連絡等、スケジュールをココアに入力し、ゼミ員は自宅PCや学内でのPCでその情報を確認。また、各種レポートも参考資料として、ホットスポットからアップしたり、教授も学生のレポート管理に使ったりするという感じです。
 また、サークルではカメラ付き携帯やデジカメでとった写真をココアにアップして、それを友達がPC等にダウンロードし、PCのスクリーンにしたり、アルバムを編集したりして、楽しみはさまざまです。
 以上がこれまで展開してきたホットスポットについてですが、これからの展開についても少しだけ、ご紹介させていただきます。よくいわれるローミングですが、現在ISPへは卸サービスをやっており、パートナーが増えてきておりますが、無線LAN事業者とも今後はローミングを考えております。JR東日本さんとの実験はもうすぐ終わってしまいますが、彼らが商用サービスを開始するときには是非ローミングをしたいと考えております。また、他社さんについても認証方式の違い等があり、すぐに実現できませんが、やる方向で検討を進めております。また、海外についても海外無線LAN事業者との直接ローミングもやっていく予定です。
 次にいわれるのがセキュリティの高度化ですが、セキュリティの規格も進んできており、米国のIEEE委員会のなかでは11iといった形で標準化が進められています。来年度には明確になると聞いています。Wi-Fiアライアンスではそれに先駆け、WPAを発表しました。この秋には製品がでてくるといわれています。NTTコムとしても、そういった規格に準拠して802.1xやWPA等に対応していく予定です。年内には高セキュリティメニューを出す予定です。
 また、最近IP電話という言葉が盛んに言われていますが、もちろんホットスポットからのIP電話についても検討中です。その実現に向けていくつかの課題整理をしております。来年には実現可能かと思っております。これは必要なアプリケーションだと認識しています。
 ホットスポットのしくみのなかにアクセスした場所の名が表示されるというのがあったことを覚えているかと思いますが、同じように認証後のポータル画面を場所によって変化することができるようにシステムを組んでいます。いずれ、これを使ってエリア情報配信サービスをしたいと考えています。
 現在、多くの無線LANサービスで使われている周波数帯は2.4GHzですが、NTTコムだけが5GHz帯も提供しております。ただし、この5GHz帯は屋内専用であり、屋外では提供できません。そこで、屋外でも利用できる5GHz帯の周波数帯と使って、実験をして商用に耐えるのかを確認中です。いずれ屋外でも2.4GHz無線LANよりも高速な5GHz無線LANが普及する日がくるかと思います。
ユピキタス時代に向けた取り組みイメージ また、IPv4の世界だけでなく、IPv6の実験も行ってきており、商用サービスでも展開を想定しております。IP電話の専用端末がでまわるようになるとアドレスもなくなってくることでしょうから、アドレスが豊富にあるv6も視野にいれてシステム検討を進めています。
 こういったさまざまな展開を考えているわけですが、最終的にはユビキタス時代に、どこでもいつでもシームレスに自宅、会社、インターネットにアクセスできるようにしていきたいと考えています。これは1つの技術だけでなく、端末も含めて複合的に連携させて実現していくものだと考えています。これからも是非ホットスポットに注目していただければと思います。ご清聴ありがとうございました。

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