目黒会ロゴ
検索方法説明
問い合わせ グッズ販売 関連リンク集 情報セキューリティ方針 サイトマップ
目黒会報/主要な記事/15-2巻頭論壇その2-1

会報15-2の主要記事
「国立大学法人法案」にみる新国立大学の姿 (その2)
電気通信大学同窓会 社団法人目黒会名誉会長
電気通信大学長:梶谷 誠
  〜その2のまえがき〜
 前号(15-1号:平成15年4月発行)では、明治以来続いてきた国立の高等教育機関の設置形態が大きく変わり、独立行政法人通則法(以下、通則法という)に基づく法人に移行する機関(国立高等専門学校など)と国立大学法人法(以下、法人法という)に基づく法人(国立大学および大学共同利用機関)に移行する機関に分かれることを述べました。そして、独立行政法人と国立大学法人を比較して、その共通点、相違点を概観しました。その上で、法人法案の概要の説明に入り、役員と組織の仕組みについて紹介しました。
 本稿では、前号からの続きとして、さらに法人法案について説明し、その問題点や課題について述べたいと思います。
 なお、この原稿を書いている時点では、法人法案など関連法案は衆議院を通過していますが、参議院ではまだ審議中です。
法人と大学
5.5 役員会、経営協議会、教育研究評議会
 前号5.3で、法人の運営組織は、法人の最高議決機関である役員会と、審議機関としての経営協議会と教育研究評議会から構成されることを説明しました。ここでは、それぞれの審議事項についてさらに詳しく見てみます。
法人の組織構造
 学長は、次の事項について決定しようとするときは、役員会(学長と理事で構成)の議を経なければなりません。
  1. 中期目標についての意見(5.7で示すように、文部科学大臣(以下、文科大臣という)は、中期目標を定めるときは、あらかじめ、法人の意見を聴き、それに配慮しなければならない)及び年度計画に関する事項
  2. この法律により文科大臣の認可又は承認を受けなければならない事項
  3. 予算の作成及び執行並びに決算に関する事項
  4. 当該国立大学、学部、学科その他の重要な組織の設置又は廃止に関する事項
  5. その他の役員会が定める重要事項
役員会
役員の任免


 経営協議会は、法人の経営に関する重要事項を審議する機関で、次のような事項を審議するよう定められています。

  1. 中期目標についての意見に関する事項のうち、国立大学法人の経営に関するもの
  2. 中期計画及び年度計画に関する事項のうち、国立大学法人の経営に関するもの
  3. 学則(国立大学法人の経営に関する部分に限る)、会計規程、役員に対する報酬及び退職手当の支給の基準、職員の給与及び退職手当の支給の基準その他の経営に係る重要な規則の制定又は改廃に関する事項
  4. 予算の作成及び執行並びに決算に関する事項
  5. 組織及び運営の状況について自ら行う点検及び評価に関する事項
  6. その他国立大学法人の経営に関する重要事項

 教育研究評議会は、大学の教育研究に関する次のような重要事項を審議すると規定されています。
  1. 中期目標についての意見に関する事項(法人の経営に関する事項を除く)
  2. 中期計画及び年度計画に関する事項(法人の経営に関する事項を除く)
  3. 学則(国立大学法人の経営に関する部分を除く)、その他の教育研究に係る重要な規則の制定又は改廃に関する事項
  4. 教員人事に関する事項
  5. 教育課程の編成に関する方針に係る事項
  6. 学生の円滑な修学等を支援するために必要な助言,指導その他の援助に関する事項
  7. 学生の入学、卒業又は課程の修了その他学生の在籍に関する方針及び学位の授与に関する方針に係る事項
  8. 教育及び研究の状況について自ら行う点検及び評価に関する事項
  9. その他国立大学法人の教育研究に関する重要事項


 これら三つの会議はいずれも学長が議長となり、主宰します。学長は、両審議機関による審議を経た後に、役員会での最終議決によって諸事項を決定し、執行することになります。

5.6 法人の業務

 法人法には、国立大学法人の業務の範囲が、次の7項目に渉って規定されています。

  1. 国立大学を設置し、これを運営すること。
  2. 学生に対し、修学、進路選択及び心身の健康等に関する相談その他の援助を行うこと。
  3. 当該国立大学法人以外の者から委託を受け、又はこれと共同して行う研究の実施その他の当該国立大学法人以外の者と連携して教育研究活動を行うこと。
  4. 公開講座の開設その他の学生以外の者に対する学習の機会を提供すること。
  5. 当該国立大学における研究の成果を普及し、及びその活用を促進すること。
  6. 当該国立大学における技術に関する研究の成果の活用を促進する事業であって政令で定めるものを実施する者に出資すること。
  7. 前各号の業務に附帯する業務を行うこと。


 上記1号は当然として、2号以下は現在も行っていることで、わざわざ法律に書く必要もないよう思えます。考えてみると、従来は業務という視点から大学を記述した法的根拠はありませんでした。最も基本となる学校教育法の中には、「大学は、学術を中心として、広く知識を授けるとともに、深く専門の学芸を教授研究し、知的、道徳的及び応用的能力を展開させることを目的とする」とあります。その他には、教育研究上の組織、修業年限、卒業要件、入学資格、大学の構成員、学位授与などを定めています。したがって、法人法の「国立大学を設置し、これを運営すること」という規定は、当然ながら上述の学校教育法で定めている本来の教育研究業務を含むものと解されます。逆に言えば、法人法の業務の範囲の2号以下は、今までは大学の業務として明確に規定されていなかったので、その法的根拠を定めて、積極的に実行すべきことを求めたものと考えればいいでしょう。

Copyright 2003 Megurokai,All Rights Reserved
このページの先頭へ戻る