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目黒会報/主要な記事/会報15-3号知財本部の発足について

目黒会報の主要な記事15-3号
「電気通信大学知財本部の発足について」

電気通信大学知財本部の発足について

共同研究センター長
森 崎 弘

1)これまでの経緯
 政府の知的財産戦略の一環として、昨年秋に文部科学省から大学知的財産本部整備事業構想が発表されました。ご承知のように、本学は知財関係の人材を多数輩出しており、知的財産についても従来から有望な特許やソフトウエアを数多く生み出しています。そこで共同研究センターでは、本学は知的財産本部を整備すべきであると判断し、あらかじめ本学の知財関係者が所属する「ならびの会」などに協力を要請した上で、昨年12月にセンター内に知的財産本部設置準備委員会を発足させました。準備委員会には、本学出身の弁理士の方々やこれまでにベンチャービジネス特論などの授業でご協力いただいてきた弁理士、弁護士の方々、それに本学の承認・認定TLOであるキャンパスクリエイトの役員にも参画いただきました。
 知的財産本部設置準備委員会では、まず、本学の知財ポリシーについて集中的に議論を行い、本年1月末に「電気通信大学知的財産ポリシー(案)を策定しました。ついで3月には、文部科学省から大学知的財産本部整備事業の公募がなされたのを受けて、直ちにその素案作りを進め、4月初めに文部科学省に大学知的財産本部構想等調書を提出しました。文部科学省が募集した本整備事業には全国国公私立大学等から83件の申請がありましたが、書類審査、ヒアリングを経て、本学は幸いにして34件の採択機関の中に入ることができました。採択を受けて、ただちに準備委員会、共同研究センター、キャンパスクリエイトの合同チームで実施計画書を完成させ、8月1日付けで正式に本学知的財産本部の設置に至りました。


2)本学の知財本部の特徴と実施体制
 今回、本学の知的財産本部構想を考えるにあたり、配慮した点は、理工系単科大学だからこそできる俊敏な活動ができる体制を構築することでした。大学発の知的財産創造サイクルがうまく回るためには、大学の知財が売れなければならない訳ですが、マーケティングという機能はこれまでの大学には無かったもので、そのノウハウを大学は持ち合わせていません。一方で、キャンパスクリエイトは、これまでに多くの技術移転の実績を持っており、マーケティングに関するノウハウを蓄積しています。そこで、本学の知的財産本部は、承認TLOと強い連携を持って活動し、外部からみて分かりやすいワンストップサービスができる体制を構築しようと考えました。すなわち、本学の知財本部の特徴は、知的財産等の取得、管理、活用のすべてのプロセスにおいて、キャンパスクリエイトと連携して、最大限の効果を上げられるような活動を行うことにあります。
 今回の知的財産本部整備事業の実施体制におけるキーポイントは、大学に知的財産マネージャーと呼ばれる学外の知財の専門家を配置できることにあります。本事業の成否は、知財の専門家としていかに優秀な人材を確保できるかで決まると言っても過言ではありません。幸い本学の場合、関係各位のご努力によって、早期に6名の優秀な知的財産マネージャーを招聘することができました。特に、統括担当の知的財産マネージャーとして、元ソニー株式会社常務取締役の堀建二氏をお招きできたことは、これからの本学の知的財産本部の活動にとって特筆すべきことと思っています。


3)活動状況と今後の課題
 本学の知的財産本部の発足を記念して、去る10月27日(月)13時30分から、第一回知的財産シンポジウム「大学の知的財産戦略」を講堂で開催しました。プログラムは、表1の通りです。知的財産本部主催のこのシンポジウムは全国に先駆けて行われたこともあって、全国の28大学からの50名を含め、246名(内電通大37名)の方々が参加されました。シンポジウム後にハルモニアで開かれた、情報交換交流会にも73名の参加者があり、熱心に情報交換をされておられました。
 本学の知財本部は、他大学も羨むような優秀な知的財産マネージャーをお招きできて、まずは順調に船出ができましたが、今後の課題も山積しています。これまで大学で行われた発明は一部の例外を除いて、個人帰属でしたが、法人化後は原則として大学帰属となる方針が決まっています。それに伴って生じる諸々の課題を解決することが知的財産本部には課せられています。さらに、教職員にあらたに生じる様々な手続きなどを理解してもらうための継続的な啓蒙活動も重要な知財本部の仕事になります。そして何よりも、知的財産本部の活動が、本学における教育と研究、それに第三の使命である社会貢献にとって重要な役割を果たすことを学内の教職員に理解してもらわなければなりません。
 本学の知的財産本部のこれからの取り組みにつきまして、関係各位のご理解とご協力を心からお願い申し上げます。


[表1]
電気通信大学知的財産本部 第1回知的財産シンポジウム
「大学の知的財産戦略」
● 日時 2003年10月27日(月)
    13:30〜17:30(交流会終了19:30)
● 会場 電気通信大学 講堂
● プログラム 総合司会 知的財産本部 伊東彰子氏
 13:30〜13:35
  挨  拶 電気通信大学長 梶谷誠氏
 13:35〜13:40
 来賓挨拶 文部科学省 研究環境・産業連携課
      課長補佐 金子忠利氏
     経済産業省 大学連携推進課
      課長補佐 谷治和文氏
 13:40〜14:30
   基調講演 「大学の知的財産戦略−研究を刺激し、  新事業を創出する」
   講 師 慶應義塾大学知的資産センター長
      商学部教授 清水啓助氏
 14:30〜15:20
  大学発ベンチャー事例紹介
   「産学官連携による大学発ベンチャー創設−トランスジェニックの事例」
   講 師 株式会社ユージーン 
      代表取締役・薬学博士 井出博之氏
 15:30〜16:00
  電気通信大学知的財産本部紹介
  電気通信大学共同研究センター長 森崎弘氏
  知的財産本部準備委員紹介
  知的財産本部メンバー紹介
 16:10〜17:30 
  パネルディスカッション
  「知的財産創造サイクルを活発に回す」
 (パネリスト)
  清水啓助氏(慶應義塾大学知的資産センター長 商学部教授)
  井出博之氏(株式会社ユージーン 代表取締役・薬学博士)
  森崎 弘氏(電気通信大学共同研究センター長) 
  本城和彦氏(電気通信大学電気通信学部情報通信工学科教授)
  成瀬重雄氏(電気通信大学知的財産本部運営委員会委員 弁理士)
  堀 建二氏(電気通信大学知的財産本部知的財産マネージャー(統括))
  安田耕平氏((株)キャンパスクリエイト代表取締役社長 客員教授)
  竹内利明氏(コーディネータ 電気通信大学共同研究センター客員教授)
 18:00〜19:30 
   情報交換交流会 会場 :「ハルモニア」 

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