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会報18-1の主要記事

巻 頭 論 壇
「受験生から見える大学に向けて」

  電気通信大学 学長 益 田 隆 司 

 少子化に伴う大学全入時期が、2 0 0 7 年度にも始ま ろうという見通しになっています。日本の大学の8 0 パーセント以上は私立大学です。難関の大学がある一 方で、すでに定員まで受験生が集まらない私立大学が 数多くあります。定員割れ等ということは、国立大学に は無縁のものというのがこれまでの感覚でした。とこ ろが法人化を契機に、国立大学を取り巻く環境が一変しました。受験生から見て、国立大学以上の魅力をも つた私立大学も数多く出現しています。その一方で、 国立大学への国からの予算は年々減少しつつありま す。文部科学省担当の財務省主計官は、「これからの 大学の果たしていく役割は、産学の連携で、どれだけ 大学発の大きな成果を出していけるかにかかっている。大学法人になったということは、独立した経営体として変わっていくということだ。足りない部分は運営 費交付金を入れるが、経営体として独立してもらう必 要がある。それが成り立たないところは、淘汰される 時代が来る。運営費交付金がなくても自分たちの大学 は生きていけるんだ、人材もお金も引き付けていく力 があるんだという経営を目指してもらう必要がある。 法人化2 期以降になると、生き延びる戦略を持てなかつたところは、統合等によって淘汰されるという形にな つていくべきだ。」とまで言い切っています。
 法人化になると国立大学にも勝ち組と負け組にはっ きり分かれるだろうということが言われてきました。特 に国公私立大学がひしめく関東地区ではそうです。こ ういった環境の中で、いまわが電通大はどのような評 価にあるのでしょうか。数値化可能な評価軸として3 つをあげてみます。1 つ目は、受験生から見たときの 入学偏差値、2 つ目は、大学院、中でも後期課程の充実度、そして、3 つ目は、競争的資金の獲得額です。この 3 つの評価要素は互いに強い正の相関をもっていま すが、ここでは学部入学偏差値に焦点を合わせます。
 代ゼミのデータを見て、本学と近い大学を、たとえ ば、4 段階に並べてみます。第1段階には、東工大、そ れに次いで、横国大があります。第2 段階には、東京農 工大、名工大、埼玉大、京都工芸繊維大などがあります。そして、第3 段階に、電通大、九工大があります。第4 段階は、北見工大、室蘭工大といったところです。河 合塾のデータでもほぼ同様の傾向です。10 年、2 0 年 前の電通大は、このランキングでいうと、第1段階と第2段階の間程度にあったのではないかと思いますが、
現実は、農工大、名工大に、かなりの差をつけられてし まっています。高校、予備校は偏差値輪切りで学生を 受験させてきます。上位にアップすることは容易なこ とではありません。
 優秀な受験生を集めるために、本質的には、教育、研 究、産学連携等での大学の社会的知名度を上げること がもっとも重要ですが、その一方で、受験生、高校、予備校を対象にした常日頃の広報活動にも務める必要 があります。最近は、多くの先生方に高校訪問もして いただいています。でも私が、最近、感じていること は、高校生を惹き付けるために「電気通信大学電気通信学部」だけでは、限界があるのではないか、これが通 用したのは、技術者がいくらでも必要であった日本の 高度成長期までではなかったかということです。現 在、学部の下に7つの学科がありますが、どうしても 「電気通信」という規制がかかってしまって、電気通信 に興味がない高校生ははじめから逃げているのでは ないかと感じたりもします。理工系大学の枠組みの中 で、高校生に対して大学の幅をより広く見せるよう、大 学を衣替えする時期が来ているのではないか、法人化 後の競争的環境を勝ち上がるためには、そういった思 い切った改革も視野に入れないといけないのではないかと考え始めています。ぜひ同窓会諸氏の忌憚の ないご意見をいただければと思います。

 
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