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会報18-2の主要記事

巻 頭 論 壇
「教育組織の改組に向けて」

  電気通信大学 学長 益 田 隆 司 

 少子化の環境の中で、電通大の受験生の減少、入学偏差値の低下傾向が続いています。伝統ある都心の工科系大学でありながら、他の理工系大学に比較しても、その傾向が大きいことが問題です。その原因の1つは、「電気通信大学電気通信学部」の構造が時代に即したものになっておらず、抜本的に見直す時期に来ているのではと考え、その問題提起を前号にさせてしいただきました。何人かのOBの方からもこ意見をいただきました。
 電通大は、昭和24年5月に、船舶通信専攻、陸上通信専攻、電波工学専攻の3つの専攻で発足し、それら3専攻を束ねたのが電気通信学部でした。当時は、まさに名は体を表した学部名でした。高度成長期、1980年代半ばまでは、学部名等関係なく、電気、情報、通信としいった分野は、学生の人気が高く、電通大は、日本の他の国立大学工学部以上の発展をした時期であったといえます。
 ところがこの10年以上前からは、理工系においても、生命、生物、バイオの分野、環境の分野、あるし、は、資格の取得が価値ある分野などへと学生の志向は移っています。電気、情報、通信の分野は、社会の実需が高く、日本経済を将采に亘って支える分野であることは間違いありませんが、黙っていて、素質ある学生を確保できる時代ではなくなっています。また、法人化によって、人件費は厳しく削減されつつあります。その一方で、教員定員の概念もなくなり、予算内で大学をどう設計するかは、大学の裁量に任されるようになりました。従来の固い学部、学科の構造では、時代の変化に対応できなくなりつつあります。すでにいくつもの大学がこの環境の変化に応じて、教育組織の大きな改組を行ってし、ます。
 京部工芸繊維大学には、従来、工芸学部と繊維学部があり、そのもとに7つの学科がありました。改組により、学部を統台して1つにして、そのもとに3つの学域、10の課程を設けました。また、金沢大学では、従来の8学部を3学域に再編しようとしています。早慶をはじめとする私立大学の改組も目につきます。これらの改組の狙いは、いずれも、従来の学部、学科の固い構造を排除しよう学生の視点からの改組にしようというところにあります。
 電通大は、有山学長の時代、平成9年に、末松安晴氏を委員長とする外部評価を受けています。その報告書に、まずは、学科の分類は大きい方が変革の時代に柔軟に対応でき、7学科構成は細か過ぎるとあります。入試が学科単位という前提での意見です。報告書には、さらに「教育の領域は、学生が成長過程で知識獲得技術や推理カを会得する方法となる学問の考え方で分けるのがよく、学生が社会に出てからもずっと伸ぴていけるようにするための分類でありたい。教官の専門は二次的でありたい。」と含蓄深いことも書かれています。
 こういったいくつもの視点からの背景を踏まえて、電通大でも、この4月に、学長、理事、部局長から成る「大学の中長期あり方懇談会」を設置し、遅ればせながら電気通信学部のあり方の検討を始めていまず。
 改組ありきの前提で検討を始めているわけではありませんが、受験生の志願状況、偏差値の状況から判断して、もし改組をやるとすると、かなりのスピードが要求されると感じています。そのときの重要な視点は、学生にとって、魅力を感じさせる改組とすることです。大学の総力を上げて取り組まねばならない課題です。大学外からの視点も貴重です。OB諸氏のこ意見を引き続き賜わりますよう、よろしくお願しい申し上げます。

 
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