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目黒会報/主要な記事/新学長のご挨拶

会報20-1の主要記事

10年後の創立100周年を
心から祝えるように!
〜学長就任の挨拶に代えて〜

電気通信大学 学長 梶谷 誠 
◆はじめに
 4年前に卒業させてもらったはずが、再び母校に呼び戻されるとは、当人はもとよりどなたも夢想だにしなかったと思います。一昨年でしたか、高等学校で未履修問題が発覚して世を騒がせたことを思い出しました。私の前の4年間には実は未履修があったので、やり直せと言われているような気がしています。
  いずれにせよ、このようないささか異常な事態に立ち至ったことは、本学が危機的状況にあるか危機を察した結果だと考えざるを得ません。本学の90年にわたる輝かしい実績と積み上げてきた貴重な資産を無駄にしないために、この危機を脱して元気な電通大を取り戻すために、卒業生としての責任を果たさねばならないと強い決意をしております。

8年前の学長就任あいさつ <目黒会報12-1号より>
 昭和39年に通信機械工学科を卒業しました。本学卒業生が学長に就任するのは始めてのことでもありますので、目黒会員の皆さまの絶大なるご支援とご指導を心からお願い申し上げます。
 昨今マスコミを賑わしていますように、国立大学も先行きが極めて不透明な状況で、混とんとしています。特に、独立行政法人化への移行の方針が打ち出されはしましたが、その中身については、国の方針も未だ定かではありません。いづれにしても、国立大学がいままでのような設置形態を維持できるとは思えません。本学もこのような状況に対処するため、有山学長の指示で、長期計画委員会を中心に検討を進めてきています。
 このような状況から、さしあたりの私の仕事の最大の課題は、近々に起こるであろう設置形態の変更に伴う、大学の新しい体制を確立することにあると思っています。しかし、大学の本質は設置形態にあるのではありません。本学が、世の中に無くてはならない存在であり続けるために、何をなさねばならないか、それが問われているのだと認識しています。
 私は昨年4月から共同研究センター長として、産学連携を推進する役目を負っていました。目黒会報第11-3号の「CAMPUSによって電通大の力を活かそう!」という拙稿にも書きましたように、ここ1、2年の間に、産学連携を中心とする大学の社会貢献へのさまざまな要請、動きが急速に活発化しています。
 これは、これからの社会の枠組みの大きな流れを「ボーダレス化」と捉えると、大学もその流れに沿うべきことが要請されていると考えることができます。「ボーダレス化」は、それによって新しい価値の創出が期待されます。大学は、ある意味で最もボーダレスな場でありうるはずです。しかし、現実の大学は、大学の内部でさえさまざな壁を築いてきました。我々大学人がまずはそのことに気がつき、思い切って「ベルリンの壁の崩壊」を敢行する勇気を持たねばならないでしょう。
 他方、社会は大学の存在をどのように考えるのか、何を期待するのかについてもっと真剣に考え、コンセンサスを形成すべきです。大学の活性化が社会の活性化に不可欠であるとするなら、社会のインフラとしての大学を維持するために、応分の負担をすべきです。もちろん、その分大学の運営にも参加してもらう方がよいでしょう。運営だけではなく、教育にも研究にももっと参加してもらうべきでしょう。大学はボーダレス化すべきです。
 さて、同窓会は大学と最も近しい社会と考えられますから、大学に対する同窓会の役割はますます重要になってきます。同窓会は、大学を支援することによって、社会に貢献することになります。もちろん、大学は同窓会が支援したくなるような、実績をあげねばなりません。最近の目黒会と本学の関係は、極めて良好で健全であることを感謝しています。このような関係をこれからもますます発展させ、電気通信大学が、卒業生はもとより社会から応援してもらえるような大学であるように、力を尽したいと思っています。会員の皆さまの厳しくも暖かいご支援とご指導を重ねてお願い申し上げます。

4年前の学長退任の挨拶:「高度コミュニケーション科学」の創造を! <目黒会報16-1号より>
(前半略)
  今年の4月から、国立大学法人が発足し、電気通信大学も新たな体制の下で生まれ変わることになります。法人の経営には、学外者が正規のメンバーとして参画します。一方では、第3者によるさまざまな評価が待っています。本学は、この4年間に、地域や産学官との連携、国際交流の推進、大学間の単位互換などによる連携など、ボーダレス化の準備を着実に進めてきました。これらは、新しい体制の下でこそ、存分に機能するように設計されています。それを活かすことが、電通大を元気にし、電通大の存在の意義を高めることになるに違いありません。
  電気通信大学は、21世紀の社会のあり方を、人と人、人と社会、人と自然とのコミュニケーションが豊かな「高度コミュニケーション社会」を目指すべきとし、その基盤となる科学技術によって社会に貢献することを宣言しました。本学の使命は、従来の科学技術の枠組みを超えた新たな視点から「高度コミュニケーション科学」 を創造し、その教育研究の世界拠点となることにあります。
  電気通信大学は、小規模で、狭い分野に集中しています。今後、ますます激しくなる競争の中で、本学は生き抜いていけるでしょうか?これまでのような大学運営を前提にした単純な予想をすれば、先行きは極めて悲観的になります。しかし、法人化のメリットを最大限に活用し、小規模で分野が特化していることの長所を活かし、短所を補う経営をするなら、極めて個性的で、社会から注目され、もてはやされる大学に発展させることができるでしょう。そのためには、前述したように明確な理念と使命感を持ち、徹底したボーダレス戦略が不可欠だと思います。
 この4年間に言い続けてきたことを、またぞろ述べてしまいました。このような私の主張に対して、多くの目黒会会員の皆様から常にご支援や激励をいただいたことが、私の大きな支えになっていました。大変ありがたく、ただただ感謝の気持ちでいっぱいです。ほんとうにありがとうございました。
  新生電気通信大学に対しても、目黒会員の皆さまのなお一層のご支援とご協力を切にお願い申し上げ、私の退任の挨拶とさせていただきます。

◆ 首尾一貫

 僭越ながら、私が再び電通大のトップを任せられたことは、私の従来の主張を支持していただいたと考えます。そこで、あえて過去のコメントをそのまま再掲載させていただきました。これらは今もそのまま当てはまると思っていますし、これからの私の基本姿勢でもあるからです。電通大としても、特色を鮮明に出して、社会での存在感を際立たせる戦略を打ち出す必要があります。それを学内で共有し、社会への強いメッセージとしなければなりません。電通大としての首尾一貫した主張を、過去の私のメッセージを基に再構築し、それを実現する戦略を立て直すべく準備を始めたところです。

◆本学の中期目標

 全ての国立大学法人は、6年を中期期間とする中期目標とそれを達成するための中期計画を定めています。中期目標の達成状況は、文科省に設けられた国立大学評価委員会で評価され、その結果が第2期の中期目標期間の運営費交付金(国から大学への運営補助金)の額に反映されることになっています。すでに第1期中期期間は4年を経過しましたが、今年度はこの4年間の目標・計画の達成状況が評価され、それが事実上の第1期中期目標期間の評価となるようです。
 本学の中期目標の冒頭には下記のように記載されています。

(前文)大学の基本的な目標
  電気通信大学の目標は、「高度コミュニケーション科学」の諸領域で世界をリードする教育・研究拠点を築き、もって平和で幸福な社会の進歩発展に寄与することである。この目標に沿い、国籍、人種、信条、性別、社会的身分の如何を問わず、国内外の市民及び社会に門戸を広く開放し、21世紀を担う先駆的な科学者、技術者、専門職業人を育成する。

(中略)
 
中期目標・計画期間には、以下の個別事項に留意した教育・研究を追究し、効率的で効果的な大学運営に取り組む。
  1. 国境なき知の広場を世界に提供し、その拠点を形成する。
  2. 情報・通信・電子・メカトロニクス・基礎科学等を中心とし、関係諸分野を融合した「高度コミュニケーション科学」の創成・発展の先導役を果たす。
(後略)

 このように、本学は「高度コミュニケーション科学」によって特色を打ち出そうとしています。これは2000年9月にまとめられた「構想21要綱」に基づくものですが、次の4つのキーワードが「構想21要綱」の要でした。

  • 高度コミュニケーション社会
  • 高度コミュニケーション科学
  • 知のボーダレスの場
  • e-Campus (大学を高度コミュニケーション社会の実践の場、モデル社会とする)

◆創立100周年(2018年)を迎える本学の姿

 本学は、2018年に創立100周年を迎えます。そのときまでに目指すべき目標をビジョンとして策定する作業を開始しました。新ビジョンは、現行の中期目標とその達成状況の自己点検結果を踏まえ、次期中期目標の根幹をなすものです。「構想21要綱」の理念を継承し、コミュニケーションを軸とする具体的ビジョンを新たに打ち出す予定です。
 現時点では私個人の夢ですが、思いつくまま、100周年を迎えた本学の姿をイメージしてみました。
  • 高度コミュニケーション社会、高度コミュニケーション科学という言葉が社会に広がり、高度コミュニケーション科学発祥の大学として、世界的に高く評価されている。高度コミュニケーション科学といえば電通大、電通大といえば高度コミュニケション科学というブランドが確立している。
  • 上記により、国内はもとより海外からも多くの学生、研究者、技術者などが集う場となっている。
  • 電気通信大学のキャンパス全体が、高度コミュニケーション社会のモデル(e-Campus)として高い評価を受けている。それは、教育、研究、マネジメントなどあらゆる活動が、「コミュニケーション」と「ボーダレス」という2大コンセプトで活性化している。
  • 学生のための大学という大学運営の基本が浸透し、学生と大学のコミュニケーションが十分に機能している。
  • 電気通信大学の理念、ビジョン、高度コミュニケーション科学の発祥、e-Campusの実績など に触発され、本学で学びたい意欲ある若者、社会人、留学生が増え続けている。
  • e-Campusでの教育システムが個性を育て、人間性を豊かにし、実践的な人材を生み出し、電通大出身者への社会からの需要はますます高まっている。

  • 電気通信大学の研究グループに参加を希望する研究者が国内外から殺到している。
  • キャンパスが明るく、活気に満ち、行きかう人々も笑顔が絶えない。
  • 学生の層が多様になり(女子学生は3割、留学生は1000人、社会人は300人を超えるなど)、学生間の自主活動、学生による社会活動も盛んになっている。
  • 教員の構成が多様になり、常勤の教員のほか、客員、特任など常勤に準じた教員が300人程度になり、教育や研究で重要な役割を担って、教育研究の充実に貢献している。
  • 教員以外の職員(事務系、技術系)も、大学の経営や教育研究を支える重要な役割と責任を担っており、それぞれがやりがいを持って生き生きと仕事に励んでいる。
  • 大学を訪れる学外の人が5倍に増え、多様な国際交流、産学官連携、地域連携が活発に実施され、社会から信頼され、頼りにされている。
  • 本学の強みを生かし、弱みを補いながら、新しい価値を創造するため、近隣の大学のみならず、国外、国内の教育研究機関との連携を強めており、連携相手機関から見ても電通大の存在価値が高まっている。
◆おわりに
 電気通信大学への社会の信頼が不動のものとなるように、役職員が心を一つにして力をつくします。目黒会員の皆さまの暖かいご支援とご指導を切にお願い申し上げます。電通大と目黒会は一体です。
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