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会報21-2の主要記事

巻 頭 論 壇

総合コミュニケーション科学の殿堂を目指して

電気通信大学 学長 梶谷 誠
 電気通信大学は創立100 周年に向かって、「UEC ビジョン2018 〜 100 周年に向けた挑戦〜」を策定し、 これを来年度から始まる第2 期中期目標の「大学の基本的な目標」として掲げています。「UEC ビジョン2018」 については、目黒会誌20巻2号あるいは本学のホー ムページ(http://www.uec.ac.jp/about/uecvision2018.html)をご参照ください。
◆電通大のコア・コンピタンス
 大学の存続がますます厳しくなる環境の下では、電通大の存在価値を一層高める必要があります。基本的には教育と研究の質を高めることが必須ですが、総合大学ではない本学のような小規模大学は、その取り扱う学問分野においても鮮明な特色を打ち出さねばなりません。 これまでは、大学名や学部名に使われている「電気通信」という分野で特色を表して来ました。しかし、本学がカバーする科学技術分野は、この60 年間で大きく変化しています。現在では、「電気通信」という言葉が表す分野をはみだし、大幅に拡大しています。「電気通信」 は非常に狭い分野しかイメージできないし、もはや本学だけがカバーしている分野とも言えなくなっています。そこで、開学60 周年を迎えたことを機に、新たな飛躍 を期した思い切った発想の転換をしてみることにしました。
「UEC ビジョン2018」は5 項目からなっていますが、
その第一項目は
「総合コミュニケーション科学」に関わる 教育研究の世界的拠点をめざします。
となっており、電通大の特色すなわちコア・コンピタンスを表したものです。電通大は「総合コミュニケーション科学」という新たな分野を創造しようと宣言したのです。「総合コミュニケーション科学」という言葉も概念も本学が初めて提唱するもので、学問分野として何ら確立されたものはありません。したがって、極めてユニークであると同時に、極めてリスクが高い無謀な挑戦と言えるかもしれません。まさに、Unique & Exciting Campusの象徴です。しかし、そもそも大学とは新たな知を創造する場ですから、電通大発の学問分野を発信できれば、世界のどこにも負けないコア・コンピタンスを確立できるはずです。
◆電通大が主張する社会像
 私は、大学の使命や目標を考えるとき、目指すべき社会像に基づき大学の果たすべき役割を示すべきと考えました。もちろん、社会のあるべき姿は人によりさまざまです。しかし、その方向性を示さなければ次のアクションが定まらないのです。
 人は自らの意思で生まれてきた人も、目的を持って生まれてきた人もいません。しかし、生まれてきたからには、「生きがい(生きる価値)」ある人生を送ることが生きる目的になるべきだと考えました。全ての人々がそれぞれの「生きがい」を感じられる社会こそ我々が目指すべき社会です。
 それでは「生きがい」は何によって得られるのでしょうか。お金でしょうか?権力でしょうか?生きがいは心の豊かさがもたらすものだと思います。心の豊かさとはコミュニケーションの豊かさと言い換えることができます。すなわち、人と人、人と自然、人と社会、人と人工物の間のコミュニケーションが豊かであれば、人は生きがいを感じ幸福に過ごせるのだと思います。そのような社会を「高度コミュニケーション社会」と名付けました。言い換えれば、「心が豊かになる社会」あるいは「全ての人々が生きがいを持てる社会」を目指すべきだと主張しています。
◆「総合コミュニケーション科学」とは
 人は、人と人、人と自然、人と社会、人と人工物の相互作用の中で生活しています。自然を中心に据えると、自然と自然、自然と人、自然と社会、自然と人工物の相互作用という表現になります。相互作用とはそれぞれの間で、物質かエネルギーか情報のやり取りが行われることです。
 ここで、コミュニケーションを、情報の授受による相互作用と定義します。上記のように、人、自然、社会、人工物の相互で起こるコミュニケーションに着目して、その視点から全ての現象を総合的に捉えるという姿勢が「総合コミュニケーション科学」なのです。
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