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目黒会報/主要な記事/会報22-1号/新生・UEC

会報22-1の主要記事/新生・UEC
■はじめに
 2009年7月に恒例のオープンキャンパスを開催するに際して、調布駅のコンコースの両サイドに「電気通信大学は生まれ変わります」と大書した巨大な横長のポスターを1週間掲示しました。その後、このシートを再利用して看板を作り、正門前と下石原交番前交差点の本学の看板と並べてしばらく掲示しま した。
 その後、秋の調布祭とオープンキャンパスの開催時にも、同じように「平成22年4月 情報理工学部が誕生します」という大ポスターを調布駅に掲示し、現在その看板を正門前に立てています(写真1)。さかのぼって2009年3月から、調布駅の上りホーム中央付近の線路を挟んで並ぶ広告看板の中に「ディジタル・ネイティブ世代の国立大学法人電気通信大学 UEC TOKYO」という広告看板が掲示されています(写真2、4月には新しいデザインに変更します)。
UEC看板
  そもそも、本学の広告を駅に掲示することは開学以来初めてのことですから、このことからも電通大は変わりつつあることを感じていただけると思います。この広報戦略は広報センター長を務めてくれていた故蔵信行理事(2009年9月末日退任、2010年2月23日急逝)のイニシアティブによるものです。外から大学がどう見えるかという視点から広報に活を入れた彼の功績に感謝しなければなりません。蔵さんは本学通信機械工学科の第1期生で、私とは同級生でもあり、卒業生として本学のために力を尽くす情熱にあふれた盟友でした。ご冥福を祈るのみです。
 本稿では、生まれ変わりつつある本学の概況を紹介させていただきます。
■法人経営の体制
 多くの大学では、理事は現職の教授の中から選ばれることが一般的で、理事が教育研究業務を兼ね、理事退任後に教授に戻る例も多く見られます。法人の
役員と法人に雇用される職員は立場や役割が異なりますから、本来これを兼ねることは適切ではありません。理事の職責は重く、多忙を極めます。通常の能力では、理事と教授を同時にこなすことは並大抵なことではありません。そこで、理事全員を実質的な専任とするため、現職の教授からの登用は控えました。また、理事を同時に副学長と称する場合が多く見受けられますが、副学長は教学(教育研究業務)の担当ですから、法人側の役員が兼ねるべきでないと考え、本学の理事は副学長と称しないことにしました。ただし、法人側と教学側のコミュニケーションを図る必要から、教学側の重要な責任を分担する副学長を現役の教授委嘱することにしました。
 本学では、正規の役員会メンバー(学長、理事4名、監事2名)に副学長(3名、22年度からは2名)、 学部長、研究科長、学長補佐を加えた拡大役員会を設け、ここで日々の全ての課題を審議することにし ました。これにより、役員会と教学側のコミュニケーションがスムーズになり、役員会のガバナンスが効果 的に機能していると思っています(表1)。
  また、学外の委員から貴重な助言をいただける経営協議会を重視し、会議の開催回数を増やしました (19年度4回、20年度5回、21年度8回)。会議の進行、大学からの一方的な報告事項を極力減らし、建 設的な議論の時間を十分に取り、活発にご発言いただいております。
■経営戦略とオープン化
 本学には改革すべき課題が多々ありますが、何よりもまず、全学で共有できるビジョンを打ち立てることにしました。すでにご案内しておりますが、「UECビジョン2018」(本誌20巻2号参照)を宣言し、そこに、本学のコア・コンピタンスとして「総合コミュニケーション科学」に係る教育研究の世界的拠点を目指すことを掲げています(本誌21巻2号参照)。このビジョン及びそのアクションプランは、本学の中堅若手の職員からなる(教授を含まず)WGで策定してもらいました。
 さらに、ビジョン実現に向けた改革を進める上での経営の姿勢・心構えを「経営戦略」として、次ページのように提示しています。
経営戦略 戦略(1)や(2)は、後述する組織整備や人事制 度改革等にも反映させています。戦略(3)は、特に、 経営のオープン化による経営機能の強化と効率化に 不可欠と考えました。まず、学長が主宰する会議を 全面的にオープンにしました。具体的には、「UECコ ミュニケーション」というメールマガジンを学内に発 信し、さまざまなニュースとともに、会議の内容を伝 え、議事録や会議の配布資料を閲覧できるHPアドレ スを公開しています。また毎回、「かじとーく」と名 付けた私のメッセージも掲載しています。さらに、「コ ミュニケーションの広場」という対話コーナーを設け て、職員からの意見を受け付けています。ほぼ月に1 回の割で発行し、3月で26号になりました。
 メルマガはどうしても一方的な情報提供になりが ちです。さらに、直接的な意見交換の場も必要と考 え、月1回の学長オフィスアワーを設けています。本 学に勤務する方なら教員、事務職員、非常勤職員な どだれでも申し込むことができます。この3月で9回 目になり、合計45人の皆様と懇談する機会があり、と ても勉強になっています。
■広報戦略
UECコミュニケーションマーク 冒頭に紹介したように、広報センターを中心に積極的な広報を展開しています。特に21年度は、学部改
組に伴う広報に力を入れました。
 さて、広報のツールを整備するために、まず、スクールカラーを定めました(本学HP参照)。次いで本学の英文略称であるUECを図案化したコミュニケーションマークを公募し、専門家の作品を含む330件余の応募作品の中から在校生の作品が選ばれました(写真3)。今後、このマークをあらゆる場面で活用していきます。
 また、ホームページの重要性が高まる中、訪れる人が分かりやすいHPへのリニューアルを進めています。この会報が届くころには、新しいHPが開店しているでしょう。その中で注目していただきたいのは、「ユニーク&エキサイティング研究探訪」というコーナーです。すでに2009年8月から掲載していますが、本学の研究者の優れた業績を素人でも分かるようにやさしく解説しています。本学出身の元ジャーナリスト(本学特任教授)が研究者にインタビューして書き起こした記事です。このように、本学の優れた成果を広く社会に知ってもらうことに力を入れています。
 2008年11月、それまでの歴史資料館を発展させた「UECコミュニケーションミュージアム」が開館しました。たちまち評判となり、本学の広報の面でも目玉になってきました。このミュージアムの実質的な管理・運営は、本学の名誉教授を含む多数の学術調査員のボランティアに支えられています。
 最近目出度い行事が続きました。2008年12月創立90周年記念式典、2009年12月開学60周年記念シンポジウム、2010年1月飯島澄男特別栄誉教授文化勲章受章記念シンポジウム、2010年2月韓太舜名誉教授シャノン賞受賞記念講演会などです。学会行事等も含めてこのような会を積極的に開催することによって、学外の多くの人が電通大に集い、電通大を知ってもらう機会となり、本学が目指すUnique & Exciting Campusを具現する広報戦略と位置付けています。
■組織整備
 1949年、電気通信大学の開学と共に設置された我が国唯一の電気通信学部が60年の幕を閉じ、2010年度から情報理工学部に衣替えします。このことは、本誌21巻2号で福田学部長が詳細に紹介していますので、ここでは省略します。
 ただし、強調しておきたいことは、この改組は単なる組織の組み換えではないということです。「UECビジョン2018」の実現を目指した大学改革の一環であり、他のさまざまな改革も含めた総合として効果を発揮します。
 もちろん、組織整備は目的ではありません。本学が社会の信頼を維持するために、人材育成の質の保証に責任を持つための枠組みです。これを活かして機能させ、効果を出すためには、不断に教育改善に取り組む環境を整える必要があります。教育現場で日々忙しい教員の個人的な努力だけに頼るわけにはいきません。そこで、2010年度からの学部改組に呼応して、教育戦略担当理事が統括する全学教育・学生支援機構を設け、その下に、大学教育センター、アドミッションセンター、学生支援センターを置きました。各センターが互いに連携し、学部や研究科とも連携を密にして、大学としての人材育成の質の向上を図ります。併せて、本学の特色である実践教育をさらに強化するため、「学生実験実習センター」と「ものつくりセンター」を新たに開設します。
 さらに、現在30数名の技術職員が在籍している技術部を発展的に改革します。彼らの専門的な技術力を最大限に活かし、それを必要とする職場で十分に能力を発揮し、働きがいを持てる新しい役割を担っていただきます。これまでの技術職員は学術技師(仮称)と名称も変え、教員とともに教育研究活動を主体的に支えてもらいます。学術技師(仮称)は、主として、学生実験実習センター、ものつくりセンター、情報基盤センター、研究設備センターに配置されます。
■人事制度改革
 平成22年4月から始まる第2期中期目標・計画期間に合わせた本学の改革の中で、最も重要で注目すべきことは、人事の一元化と称する人事制度の大改革
にあります。
 国立大学時代は、教官も事務官も国家公務員でした。国家公務員の場合、法律で定められた「定員」がそれぞれの機関に割り当てられ、「定員管理」されています。定員は教官、事務官、技官毎に決まっていて、その間の融通はききません。それどころか、教官定員も学科単位、講座単位で、かつ職位(教授、助教授、助手など)毎にも細かく定まっていました。ただし、定員を超えない範囲で教官等を採用する限りは、その給与等は国が保証してくれました。また、国立大学は文部科学省の外局でしたので、人事の任免権は基本的には文部科学大臣にありました。
 法人化後、我々は国家公務員ではなくなり、「官」の字がとれ、役員と職員(教員、事務職員、技術職員)で法人を構成することになりました。定員管理か
らも解かれました。職員と理事は全て法人が雇用しますから、任免権者は学長です。ただし、学長と監事だけは文部科学大臣が任命します。
 以上は建前です。実際には、多くの大学の人事管理は、国立大学時代の人事管理をそのまま継承しています。本学でも、従来の部局、学科(専攻)、講座等単位の定員管理を引き継いできました。このような従来型の定員管理方式は、各組織が定員を守りさえすればいいので、管理は容易ですが、融通性がなく、硬直化して、大学全体としての資源の有効活用という視点からの最適化が困難です。たとえば、教授に昇格させたい准教授が居ても、その組織の教授定員の空きがなければ昇格させることができません。大学として、将来を見こして、ある分野の教員をぜひ迎え入れたいと考えた場合、各組織の定員との関係の調整は容易ではありません。また、組織ごとに定員を超えた雇用はできないので、各組織の在籍者はいつも定員よりマイナスになり、大学全体としての在籍者数は、常に定員を下回ります。限られた人的資源を有効に活用しなければならないとすれば、非常に非効率な管理方式と言わざるを得ません。
 そこで、従来型の定員管理方式を改め、大学全体の教員を一元管理する新しい人事制度に転換することにしました。具体的には、全学の全ての教員と学術技師(仮称)を学術院と称する一つの組織に所属させます。教員等は学術院からしかるべき教育研究組織の担当を命じられ派遣されることになります。学術院は、教員等の採用や昇任、担当配置の割り振りなどの人事案件を一元的に処理します。そのために、あらかじめ大学全体の人事の基本方針を「人事活性化大綱」や「人事計画策定指針」として、役員会等の審議を経て定めています。従来のように、組織毎の定員は定めていませんから、各組織が無条件に教員等を採用できる権利は保障されていません。たとえば、新規採用を必要とする組織は、その必要性を説明した提案を行い、学術院での全学的な審議に耐え、合意を得ねばなりません。
 そうは言っても、各組織に一定の人員が必要なことに変わりはありませんから、各組織には定員ではなく、標準人数を提示しています。実員は、標準人数からプラスもマイナスも有り得ます。また、教員等の総標準人数のほぼ7%を学長裁量分として別枠で確保しています。学長と役員会の戦略的判断で、全学的に必要な人員を機動的に手当てできるようにしました。
 ところで、2005年に学校教育法が改正され、従来の「教授・助教授・助手」となっていた教員の職位が、新たに「教授・准教授・助教・助手」に変更されました。しかし、本学では助教授を准教授に、助手を助教に名称変更しただけで、実質は何も変わっていませんでした。、
    旧法では、
  • 教授は、学生を教授し、その研究を指導し、又は研究に従事する。
  • 助教授は、教授の職務を助ける。
  • 助手は、教授及び助教授の職務を助けると規程されていましたが、
    新法では、
  • 教授は、専攻分野について、教育上、研究上又は実務上の特に優れた知識、 能力及び実績を有する者であつて、学生を教授し、その研究を指導し、又は研 究に従事する。
  • 准教授は、…優れた…。
  • 助教は、… …。
 と変更され、教授と准教と助教の定義の違いは、上記の下線部分だけです。すなわち、職務内容で見れば、助教授、助手が教授を助けるという関係であっ
たものから、教授と准教と助教は全く同じ職務になり、その間に主従関係は無くなりました。そこで、この法の精神を実質化するため、助教が独立して研究室を持ち、卒論生を直接指導できるなどの改革に着手しました。
 事務組織についても、ボーダレス化を図り、教員等と一体となって大学の経営・運営に主体的に係り役割を果たしてもらいます。すでに、2009年度から、事務局長を廃止し、事務組織の改革に着手しました。
■施設の新設
最近は、国の財政事情から、新しい施設(建物)の建設費に対する国の補助はありません。ただ、古い建物や耐震強度の低い建物に対する、改修等は少しずつ行われており、徐々に施設の環境は改善されています。
 一方、法人化後6年間の間に、人件費の削減や業務の効率化で節約した積立金によって、本学独自に次の施設を新設しました(一部建設中)。

@総合コミュニケーション科学棟(仮称)
 西地区のレーザー新世代研究センターの隣に、5階建ての教育研究棟を新築中です。ここには、インキュベーション施設とオープンラボ及び宿泊施設を併設しています。

A女子学生および留学生用宿舎
 職員宿舎の一部を、女子学生と留学生の宿泊施設に改修しました。それぞれ20名が宿泊できます。特に、本学には女子寮が無かったので、女子学生を増
やすきっかけになればと期待しています。

Bコミュニケーションパーク
 大学会館前の広場とD棟跡地を一体とした憩いの場を新設しました。ここには、東京芸術大学の卒業制作作品の彫刻2点がアクセントを添えています。これに伴い、このコミュニケーションパーク内での自転車の乗り入れ、駐輪を禁止し、別の場所に駐輪場を整備しました。
■おわりに
 まだまだお伝えしたいことがありますが、紙面が尽きてしまいましたので、項目だけを列挙させていただきます。
 国際交流戦略、深セン虚擬大学園加入、スーパー連携大学院、テニュアトラック制度の導入、施設管理の一元化、大学機関別認証評価、国立大学法人評価、…
 新生電気通信大学への目黒会の皆様のご支援を心からお願い申しあげます。
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